地球温暖化で何が起こるか
Laboratory Earth
スティーヴン・シュナイダー / 草思社 / 98/04/24
★★★★
大気システムにおけるCO2の問題を概観する啓蒙書
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著者は気候物理学者。CO2が温暖化に貢献するという立場にたって、反論を唱えている勢力に対する政治的な反撃を行ったり、CO2の排出削減のためのエンジニアリングについても積極的に発言を行っている人である。
日本語のタイトルはまったく不適切。大気システムの研究の経緯、生態系との相互作用、エンジニアリングなどを含む広範な話題を概観する啓蒙書である。本の薄さを考えると、驚くほどよくまとめてあると思う。
特に興味深かったのは、後半の環境政策を論じている部分である。人間の活動によるCO2の排出が本当に環境にダメージを与えるのかどうかがまだよくわかっていないという状況の中で、いかにして(CO2排出の削減をうたう)環境政策を論じるかというパフォーマンスを見ることができる。毛を逆立てた猫が、前足をそろそろと出して引っかこうとしているような印象がある、仮想的な「経済学者」を相手にした議論が面白い。
1998/6/17