出版動乱
ルポルタージュ・本をつくる人々
清丸惠三郎 / 東洋経済新報社 / 2001/07/12
★★★
出版業界のルポルタージュ
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著者は元『プレジデント』誌の編集長。『夕刊フジ』に2000年2月から11月まで連載された出版業界のルポルタージュ「出版ウォーズ」が単行本化されたもの。ちなみに佐野眞一の『だれが「本」を殺すのか』は『プレジデント』に連載され、プレジデント社から発行されているが、本書は東洋経済新報社から発行されている。ほぼ同じ時期に同じトピックを扱ったルポルタージュ2冊に、ちょっとばかしの因縁がある、ということになるだろうか。
『だれが「本」を殺すのか』が書籍を中心とした出版業界を網羅的に扱っていたのに対し、こちらはほぼ出版社とその雑誌に対象を絞っており、書籍と取次とオンライン書店がおまけとして付いているという感じだ。出版業界ルポの標準的な形態であり、そう考えると『だれが「本」を殺すのか』はたしかに野心的な企てではあったのだ。
取材も構成もしっかりとしている本である。私はこのところ雑誌一般をほとんど読んでいないので、内容の大部分を切実なものとして感じられないのだが、この手の内幕話が好きな人はいろいろと楽しめるだろう。全般的に明るい話はあまりないが、講談社と小学館の「分冊百科」と呼ばれるジャンルでの競争を描いている第三章「巨艦激突、週刊美術百科」は例外。新しく切り開かれたマーケットを巡って前向きな仕事をしている様子が伝わってくる。
2001/7/26