南極点より愛をこめて
Ice Bound
ジェリ・ニールセン、メアリアン・ヴォラーズ / 講談社 / 2002/02/25
★★★
ロマンス・ノンフィクション
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アメリカの南極基地の越冬隊に唯一の医師として参加した著者は、交通が途絶する冬季に乳ガンを発見する。1999年に起こったこの事件はアメリカで広く報道されたようで、本書はそれらの報道の背後にあったストーリーを著者自らが語るために書いた本。
"Ice Bound"という原題に『南極点より愛をこめて』という邦題を付けるのはいったい何事かと思ったのだが、中身を読んで納得がいった。そういう邦題がぴったりのロマンス本だったのである。amazon.comのカスタマ・レビューを見ると、原著も(一部の人にとっては)この訳本と同じような印象を与える本だったようだ。
だから面白くないというわけではない。たとえば、1996年のエヴェレストにおける大量遭難事故で奇跡の生還を果たした男の手記『死者として残されて』と比べると、家族をかえりみずに登山に熱中していたことを反省する中年男の泣き言を聞かされるよりはマシであると思った。南極での生活の様子が少しはわかるし、叶わないロマンスの経緯もなかなか興味深い。『不肖・宮嶋 南極観測隊ニ同行ス』よりはちゃんとした本だ。
それでもやはりロマンス本である。
2002/3/18