誰が高校を殺すのか
喜入克 / PHP研究所 / 2002/03/29
★★★★
説得力ある
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著者の本としては『高校が崩壊する』を取り上げている。あれ以来、共著はいくつかあるが、単著としてはこれが2冊目(なお、「単著」という言葉は広辞苑にも大辞林にも載っていないようだ)。『高校が崩壊する』はあまりぴんと来なかったのだが、本書はずいぶんと理論的に整理されていて良い。河上亮一と諏訪哲二の次の世代の論客として注目したいと思う。
特に興味深いのは、著者自らが、プロ教師の会の人々が従来から指摘してきた変化、たとえばコミュニティの中での学校の位置づけの変化や、教師と生徒の関係の変化などをかなりのていど内面化している、あるいは社会がそれを要求しているからそれに従って行かなくてはならないと考えているように思われる点である。このため、教師が置かれているジレンマを、社会と教師の両方の側の歩み寄りを通して解決しようという発想の中で、教師の側が譲歩する距離がいくぶん大きくなっているように見える。
教師がさまざまな状況において、どのように考えてどのように行動するのかという動機を説明し、その背後にある価値観を解読していくというアプローチは大いに好み。
『なぜ授業は壊れ、学力は低下するのか』の項も参照。
2002/3/25