JAL123便 墜落事故真相解明
御巣鷹山ファイル
池田昌昭 / 文芸社 / 98/01/25
★★
完全にイッちゃってる本
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1985年8月12日に起きたJAL123便の御巣鷹山墜落事故について、これが自衛隊の標的機が尾翼に激突したために起こった事故であると主張する陰謀本。
この事故については、当初から陰謀説が提起されていた。家族があの便に乗っていたという人の手による本を読んだことがある(タイトルを忘れてしまった)。しかしこの『JAL123便 墜落事故真相解明』という本は、陰謀説とかいう以前の問題として、完全にあっちの世界に行ってしまっている本である。まえがきの最後に「なお、本書の公刊に際し私の家族の支援と、非常に困難な出版を引き受けていただいた文芸社に記して感謝します」とあるが、まことにそのとおりだろう。家族はどれほど苦労しているか、出版社はどれほど困難に思っているか、想像するだに恐ろしい。
そうだからといって「自衛隊の標的機があのJAL123便にぶつからなかった」ということにはならないのは当然である。たしかにいろいろと疑わしい状況はある。しかし、基本的にこれは「事故調査委員会がまともな仕事をしなかった」ことが原因の錯覚なのではないかと思える。だいたい、世の中の陰謀説は、何か事件が起こり、当局がまともな後始末をできなかったときに生まれるものだ。
いずれにせよ、この本は、この問題を考える上での手がかりにはまったくならない。それほど凄い本である。
1998/10/3