猫とロボットとモーツァルト
哲学論集
土屋賢二 / 勁草書房 / 98/09/01
★★★★
ユーモア・エッセイよりも面白いというのはこれまた問題ではないか
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プラトン、アリストテレス、ハイデガー、ウィトゲンシュタインなどを中心にした、存在論、時間論、認識論などの入門的なテキスト。
著者の「ユーモア・エッセイ」(著者略歴にはこう書いてある)と名づけられている4冊よりもずっと面白いというのは、問題ではないかと思う。まあしかし、その理由は単純なことだと思われる。「当たり前のこと、平凡なこと、を深刻ぶって論じる」という戦略の「ユーモア・エッセイ」は、その対象が平凡であればあるほど面白いわけだが、存在論とか時間論とか認識論などは、それ以上当たり前のことはないというぐらいラディカルに当たり前の問題なので、これらを真面目に論じたものにかなうものはない、ということだ。あと、著者の「ユーモア・エッセイ」は、特に3冊目と4冊目は、変なところで真面目でなく、迎合的に娯楽を目指している様子が見えるので興醒めだということもある。
個人的には存在論がなぜ問題となるのかを説明しているところがとても好きだった。
1998/10/5