The Final Judgement
リチャード・ノース・パタースン / Ballantine Books / 95/01/01
★★★★★
やはり素晴らしい
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リチャード・ノース・パタースンが1995年に書いた本。"Eyes of a Child"の後である。
『罪の段階』では判事、"Eyes of a Child"ではChristopher Pagetを弁護する弁護人をつとめたCaroline Mastersが、姪に殺人事件の容疑がかかったという知らせを受けて、数十年ぶりに故郷に帰る。そこで自らの過去に直面するという話で、シチュエーションは"Silent Witness"とよく似ている。ただし、こちらでは裁判にいたらず、予備審問の段階で話が終わる。
本書では『罪の段階』と"Eyes of a Child"ではクールでプロフェッショナルな女性として描かれていたCaroline Mastersの内面が思いっきり描かれる。で、やはり、こんな体験していたらクールにもなるわな、と納得できる内容。リーガル・サスペンスとしては、裁判ではなく予備審問(probable causeがあるかどうかを調べるhearing)で事件を決着させる方法が描かれていて興味深い。
しかしミステリ小説としては、ちょっと弱いかもしれない。だいたいprobable cause hearingというテーマを巡っての仕掛けを興味深いと思うのは、リーガル・サスペンスに慣れた読者だけだろうし。その他の仕掛けはそこそこオーソドックスである。
それでも、やはりこの作品は感動的だった。これは、特に"Eyes of a Child"でCaroline Mastersという人物を知っていたからなのかもしれないが、彼女の過去の描写がなんともいいのである。"Silent Witness"における主人公の青年期の描写は貧乏な若者のすがすがしい青春小説だったが、この"The Final Judgement"におけるCarolineの少女期の描写は、裕福な少女の多感さを軸とする家族と愛の物語だった。
うーん、しかし話が現代に戻ってきたときのプロットのからまり方という点では、やっぱり"Silent Witness"の方が上かな。でも、Caroline Mastersが主人公であるという点で許してしまおう。物凄く魅力的に描かれている。
1999/9/2