地球学
長寿命型の文明論
松井孝典編 / ウェッジ / 98/05/18
★★
やはりルネッサンス的教養人というのは難しいのだと痛感
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若手(というほどでもないが)の学者たちが集う学際的フォーラム『地球学の世紀』の参加者たちが座談会のような形で学際的な雑談をするという本である。地球と人類という問題を把握するためには、要素還元的なアプローチではだめで、ダ・ヴィンチ的な思考が必要だと言うのだが、はっきりいって座談会が噛み合っていない。これはひとえに、このフォーラムの参加者の中に、とりまとめができるルネッサンス的教養人がいないためだろうと思われる。
各人がそれぞれ専門分野を持っていて、それぞれこの「地球学」に対して何らかの貢献をしようとするのだが、それを他の分野の人がうまく全体像の中に位置づけられない。したがって、個々人がちょっといい話というかキャッチーな話をして、他の人々がなるほどねぇといって聞くという感じになっている。こういう交流を通して、それぞれの人が何らかの収穫を得るのかもしれないが、「地球学」が進歩しそうな気はしない。目的意識がないプロジェクトは非生産的である、という命題の実例か。
2000/2/18