蝶のめざめ
Violation
ダリアン・ノース / 文藝春秋 / 01/05/10
★★★
やはりしんどい
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著者は『骨のささやき』の人。そうとう厳しい状況に置かれている女と男が、事件に巻き込まれて、相互に影響を与えながら人生を取り戻すという回復の物語。
主人公の女性が置かれている状況の厳しさを、ストーリーの展開につれて徐々に明らかにしていくそのやり方は、かなり成功している。また、序盤での男と女の間の気持ちの擦れちがいも悪くなく、けっこう行けるんじゃないかと期待したのだが、中盤以降で一気に質が低下した。問題となる「事件」の内容とその解決の仕方があまりに平凡であり、また、せっかく組み立てた男と女の間の緊張関係が普通のロマンスのレベルで解消されてしまう。『骨のささやき』と同じく、アイデアは悪くないが構想力に問題のあるロマンス小説だった。
2001/5/31