ディープ・ブルー
Deep Blue Sea
Renny Harlin / Thomas Jane,Saffron Burrows,Samuel L. Jackson,Jacqueline McKenzie,LL Cool J / 1999
★★★★★
強烈に面白い
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レニー・ハーリン監督の海洋アクションもの。遺伝子操作で巨大化し利口になった鮫が、嵐に見舞われて孤立した研究施設を襲う。
密閉空間からの脱出ものとして、脚本が非常によくできている。施設がどのような状況にあり、登場人物たちがどのように動かなくてはならないかが綿密に考えられており、それの映像化もしっかりとしていて、強力なサスペンスが醸成されている。実際のところ、この映画は鮫はあんまり重要な役割を果たしておらず、むしろ『タイタニック』のような海中からの脱出ものなのである。脱出できなかった場合に溺れるのではなく鮫にやられる、という点だけが違う。
レニー・ハーリンは絶好調。この人は、『クリフハンガー』(1993)、『カットスロート・アイランド』(1995)、『ロング・キス・グッドナイト』(1996)と、90年代に入っても良い映画を撮り続けている。しかし興行成績は『クリフハンガー』を除いてあまり良くないようで、本作は彼の最近の映画の中ではずいぶんと低予算のようだ。このことが、鮫のCGのチープさと、役者のグレードの低さに現れている。しかし後者の点についていえば、これが大成功を収めた。
主役のトーマス・ジェーンは、ちょっとだけクリストファー・ランベールや、キャラダイン一家を思い出させる長い顔の男性で、『シン・レッド・ライン』、『フェイス/オフ』、『THE CROW/ザ・クロウ』、『バッフィ/ザ・バンパイア・キラー』に出ているようだがまったく思い出せない。この人が『ザ・グリード』のトリート・ウィリアムズに似た感じの気の抜け方をしていて、なかなか好ましい。特に、水中に潜っているときに死体に出くわして慌てるあたりが、小物っぽくて良い。気の強い女科学者を演じるサフロン・バロウズは、ジーナ・デイヴィスの代替物。ほとんど意味のある貢献をしないところが素晴らしい。この人よりもずっと美味しい役だったブロンドの女科学者はジャクリーン・マッケンジー。この後、次々とオファーが来そうないい役で、彼女の部屋でみんなが電池を探すというようなディテールがレニー・ハーリンらしい豪快さだ。サミュエル・L・ジャクソン(『交渉人』、『187』、『スフィア』)は、特に『スフィア』での扱われ方と比べると、ハーリンがいかに頭がいいかが分かるものだ(ギャラの問題かもしれないが)。これでこそ、彼のかっこよさが生きるのであり、これは『交渉人』の彼がかっこ悪く、『187』の彼がかっこよかったのと同じ論理である。男の科学者にステラン・スカルスガルド(『RONIN』)とマイケル・ラパポート(『パルメット』、『コップランド』)。
なお、コックを演じるLLクールJ(『クライム・タイム』)はすでに大スターの風格を身にまとっている。
2000/10/4
DVDメモ。日本版
メイキング、予告編、レニー・ハーリンとサミュエル・L・ジャクソンによる音声解説トラック。
音声解説トラックは、レニー・ハーリンの人柄の良さがわかるというていどで、あまり面白くない。
2000/11/7