マーシャル・ロー
The Siege
Edward Zwick / Denzel Washington,Annette Bening,Bruce Willis,Tony Shalhoub / 1998
★
これはしんどい
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監督のエドワード・ズウィックは、『きのうの夜は…』(1986)、『グローリー』(1989)、『戦火の勇気』(1996)などの人。『恋におちたシェイクスピア』の製作にも関わっている。ブルックリン市内でのアラブ人過激派による爆弾テロを巡るスリラー。邦題は、ワーキング・タイトルが"Martial Law"だったことから来ている。
上の作品リストから推測される内容をまったく裏切らない作品。要するに「アメリカ人向け勘違いPC映画」である。その鈍感さは『戦火の勇気』とまったく同じ感触を与える。
FBIのデンゼル・ワシントン(『悪魔を憐れむ歌』)と、CIAのアネット・ベニング(『イン ドリームズ/殺意の森』、『グリフターズ/詐欺師たち』、『アメリカン・ビューティー』、『真実の瞬間(とき)』、『めぐり逢い』)と、軍のブルース・ウィリス(『シックス・センス』、『ジャッカル』、『アルマゲドン』、『マーキュリー・ライジング』)が三つ巴になって権力争いをする。
この映画を救っているのは、アネット・ベニングと、デンゼル・ワシントンの同僚を演じているトニー・シャローブ(『シビル・アクション』、『ポーリー』、『ガタカ』、『普通じゃない』)。アネット・ベニングはここ数作の「従来のイメージからの脱却」路線で、メーキャップを完全に変え、エキセントリックでタフな女性を演じている。ファンは一応押さえておく必要があるだろう。トニー・シャローブは凄い。アングロ・サクソン系とアジア人以外のユーラシア大陸人なら何でもこなせそうなこの幅の広さは、ハリウッド映画の閉鎖性の現われでもあるのだが(『ピースメーカー』の項を参照)、実際にこういう多才さを見せつけられるとやはり感動せざるをえない。
2000/10/29