モスキート
Mosquito
Gary Jones / Gunnar Hansen / 1995
★
バカバカしさの極致
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怪作『スパイダーズ』のゲイリー・ジョーンズの1995年の作品。宇宙船が墜落し、そのせいで蚊が巨大化して人間を襲うというクリーチャー映画。映画の作りは『深海からの物体X』や『アタック・オブ・ザ・ジャイアントウーマン』クラスだが、『スパイダーズ』と共通する訳のわからない魅力がないわけではない。
というか、ほんとにひどい映画である。IMDBのユーザー・コメントには、この映画のあまりのひどさに興奮したユーザーたちの声が並んでいるが、『深海からの物体X』が何のコメントもしたくなくなるようなひどさであるのに対し、この映画はそのひどさを他人に触れ回りたくなるようなダメ映画なのである。巨大化した蚊がヒーローとヒロインが乗っている車に激突して潰れる導入部のシーンからして、昆虫学者という設定のヒロインがその死骸を見て「これはいったい何かしら」、ヒーローが「さあ、なんかの動物だろ」、ラジエーターに突き刺さった口吻を見てヒロインが「これは口吻だわ。これは虫なのよ。これを研究室に持って帰って研究したいわ。世紀の大発見になるかもしれないし」、それに答えてヒーローが「車が臭くなるからダメだよ、さあ行こう」、ヒロインが「道の真ん中に放ってはおけないわ」、そしてヒーローがその死骸を道路の端に捨てる、という凄い展開。役者全員のセリフ回しが強烈な大根で、いちいち笑える。SFXは1940年代という感じだ。
脚本は『スパイダーズ』と同様に、工夫した跡が見られる。この世には「閉じ込められサスペンス」という分野があり、中盤あたりから状況設定にバリエーションを持たせてクライマックスに持っていくという理論的なアプローチがなされていることが薄々伝わってくる。しかしいかんせん、そのインプリメンテーションがあまりにヘボなので、サスペンスは「次はどんなバカなセリフ/演技が飛び出すか」というコンテキストでしか存在しない。この人が今後どんなものを作るのか楽しみだ。
2001/10/10