ガールファイト
Girlfight
Karyn Kusama / Michelle Rodriguez,Jaime Tirelli,Paul Calderon,Santiago Douglas / 2000
★★★★
ストレートに語りかけてくる美しい映画
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監督の日系人カリン・クサマはこれがデビュー作。サンダンス映画祭のグランプリを初めとして多くの映画祭で高い評価を受けたインディー映画。ヒスパニックの貧困階層のハイスクールの女学生が、ボクシングを始めて、自分の生きる道を発見していくという話。そういう事前情報がもたらす嫌な予感を裏切る、とても良い映画だった。
最近見たボクシング映画には『マイ スウィート ガイズ』があるが、あの映画のボクシング・シーンが失笑ものだったのと比べて、こちらは練習風景も含めてきちんと撮っている。もちろんあちらはラスヴェガスでマイク・タイソンの前座に起用されるレベルのプロボクサーの話だったのに対し、こちらは始めたばかりのアマチュアなので、ボクシングの高度な駆け引きを描く必要はないというアドバンテージがあるけれども(だいたいこの映画にはKO勝ちが1回も出てこない)、映画の中でのボクシングの描き方の基本的なところをちゃんと抑えている。
後になって知ったが、ジョン・セイルズがエグゼクティブ・プロデューサーとなっており、監督も含めたスタッフたちはセイルズ組であるという、言ってみれば「セイルズ派」の映画だったようだ。映像の作り方と編集の仕方、人物の撮り方などは、変に凝らない落ち着いたもので、特に複数の人物が会話をしているときの編集が巧みであることが印象に残った。また、単純に展開しないストーリーと、簡単に解決できるような倫理的問題を提出しないという態度は、セイルズ的と言っていいかもしれない。
主役のミシェル・ロドリゲスをこれだけ魅力的に描けたのは大きな勝因だろう。たまたま続けて見た『デンジャラス・ビューティー』は、醜いサンドラ・ブロックが美しくなるという話だったけれども、こっちの方がその点では無理がない。凄かったのは、トレーナー役のジェイミー・ティレリ。渋くて惚れた。
2001/11/10