ビヨンド・ザ・マット
Beyond The Mat
Barry W. Blaustein / Mick Foley,Jake Roberts,Terry Funk.Vince McMahon / 1999
★★★
悪くはないドキュメンタリー
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製作・監督・脚本・ナレーションのバリー・W・ブラウスタインは、『サタデー・ナイト・ライブ』の脚本家出身で、『ナッティ・プロフェッサー』、『ナッティ・プロフェッサー2/クランプ家の面々』を含むエディ・マーフィー主演映画や、『ポリス・アカデミー2』の脚本を手がけている。要するに、そうとうダメなのである。
本作は公開年度の1999年までの2〜3年間に撮影された、アメリカのプロセス業界のドキュメンタリー。その後もこの業界は刻々と変化しており、この映画で描かれている多くの要素が変わってしまった。特にWWFはいっそうバカバカしく変容している。
本作はミック・フォーリー、テリー・ファンク、ジェイク・ロバーツという、それぞれポジションの異なるプロレスラー3人を中心に据えて、アメリカのプロレス業界を多面的に見ようとする試み。舞台上では派手な戦いを繰り広げる彼らも、リングを降りれば普通の人間である、というメッセージを伝えようとしている。ドキュメンタリーとしては特に良いところもない普通の出来だが、登場する人々がやはりショウ・ビジネスの人たちだけあってインパクトが強い。
この数年のアメリカのプロレス界は、WWFのエンタテインメント指向とTV業界でのリアリティTV指向が合体して、エンタテイナーとしてはプロだが役者としては素人であるプロレスラーを使ったリアリティTVとして楽しむという仕組みになっている、ように思う。本作にはそのような仕組みとの整合性がある。上記3人のプロレスラーの家族を撮っているシーンは、いっそうリアリティTVに近い。
バリー・W・ブラウスタインと製作者のロン・ハワードは、その仕組みを強化する「プロレスラーもリングを降りれば普通の人だ」というメッセージを伝えるのに適した人選をしている。そして本作で一番面白いのは、そういう意図からはずれたところで映ってしまった人々、すなわちWWF、APW、そしてECWのオーナーたちだ。この3人はそれぞれ特徴と能力は異なるが完璧な山師で、映画が伝えようとしているロン・ハワード的なハートウォーミングなメッセージとの整合性がないためにかえって強い印象を残している。そしてこの映画の製作者たちは、そのことに気づいていないだろう。頭悪いから。
2002/4/14